仁徳天皇の前方後円墳は上から見るか横から見るか

2019年7月、世界文化遺産に「百舌鳥(もず)・古市古墳群」が登録されました!

大阪にあると聞き、ちょうど関西空港を利用して旅行予定だったので、寄り道してきました!

上から見た前方後円墳は、横から見るとどう見えるでしょうか?笑

有名な前方後円墳はどこにある?

最寄りの駅は、大阪のJR阪和線百舌鳥(もず)駅になります。快速が止まらないような小さな駅が最寄り駅です。
大阪駅からだと、電車で30〜40分ほどで着くことができます。

百舌鳥駅を降りて、10分もしないうちに有名な前方後円墳にたどり着きます。

着きましたー!


と、思ったらなんだこれ笑
島か森かよく分かりませんが、鳥居の奥に湖に浮かぶ島のようなものが見えます。

水のある溝の部分は、川沿いのような光景です。

これが、前方後円墳かー、と1分くらい見て満足してしまいました。
やはり上から見ないと何が何だか分かりませんね。

現地のガイドボランティアのおじさん、おばさんがいるので、せっかくだから話を聞いてみました。

説明を聞くのと、質問などをしてたら、気づいたら30分くらい経ってました笑
古墳についての説明だけかと思ったら、堺市の歴史も語り始めて、千利休が登場して来たり、火縄銃がなぜ堺市で大量生産されたかなどの日本史についてまで話が広がってしまいました。

最初は話が長いなと思っていましたが、話を聞いて理解してくると面白く、非常に興味深いと感じるようになりました。

長くなりますが、聞いたことをまとめます。

仁徳陵古墳について

仁徳天皇の古墳なのか?

仁徳天皇のお墓としての説が有力のため、仁徳天皇陵や仁徳陵古墳と呼ばれていますが、実は正確には解明されていないようです。
そのため、その地域名の「大仙」を取って大仙陵古墳と呼ばれることもあります。
宮内庁では「百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」として治定(じじょう)しています。

世界三大墳墓の一つにもなっている

エジプトにあるクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵に並び、仁徳天皇の前方後円墳が世界三大墳墓に含まれています。

全長だと約486mで世界最長の墳墓になります。
どうして、昔の人は自分のお墓を巨大にして権力を示そうと思うんですかね?現代人で、世界最大のお墓を建てたい人が現れたら面白いですね。

上から見る方法は?


古墳は正直言って、横から見たら何か分かりません!模型や地図なら上から見えるんですけどね。

上から見るにはヘリコプターまたは、小型飛行機(セスナ)を利用して見る方法があります。ただ値段は1万円近くするので、上から見たい方はどうぞ。

そこまでお金をかけられない方は、堺市博物館で、VRゴーグルを使った、ドローン視点の光景を見ることが出来ます。800円で見れるので興味があれば是非やってみてください。
また、堺市役所21F展望ロビーからは、無料で上から見ることができますが、上からというより横なので期待するような光景は見ることができません。

なぜ、上から眺められる展望台を作らないのか

古墳は天皇のお墓です。天皇を見下ろすのはダメでしょ!という反対意見があるから展望台が建てられないそうです。
納得しますが、観光する側からしたら、簡単に上から見たいですよね。今後、展望台が建てられる見込みもなさそうなので、残念です。

仁徳天皇は百舌鳥の名付け親

日本書紀に残る逸話で、仁徳天皇がこの地に訪れた時、今まで街で悪さをしていた鹿が倒れ出てきて、耳から百舌鳥が出てきたそうです。それで、百舌鳥が悪いものをやっつけたため、この地域は百舌鳥と呼ばれるようになりました。

大仙公園にある仁徳天皇と鹿、百舌鳥の像

百舌鳥は、モズと読み、100の舌を持つ鳥と書きます。沢山の鳥の鳴き声をマネすることが上手いため、この字があてられました。スズメを細くした見た目をしており、生息数は減っているようですが、日本にも生息しています。

なぜ百舌鳥に古墳を作ったのか

百舌鳥の地域は、山が多く古墳が作りやすかったため、この付近に古墳が多く作られたようです。また、堺の港も近かったことから、船でやってくる外国人(朝鮮人など)に古墳を見せつけて、日本の技術は凄いだろうと自慢する意味合いもあったようです。

百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録要因

世界遺産登録要因として、
評価基準ⅲの、文明や時代の証拠を示す遺産としては、社会政治的構造や高度な葬送体系を証明していることを評価されました。
評価基準ⅳの、歴史段階の建築技術等の顕著な見本では、古墳や埴輪等が歴史的に重要な時代の証明に顕著な役割を果たしました。

2008年から世界遺産暫定リストに登録されたので、約11年越しに世界遺産になりました。
仁徳陵古墳を始め、45件の構成資産が登録されております。

古墳について

形状

一番有名なのは、前方後円墳だと思いますが、他にも帆立貝型墳、円墳、方墳など、あります。形や大きさで、被葬者のランクを表していると考えられています。

当時は、空から形を見ながら作れないのに、綺麗な形を作れているので、設計や測量技術の高さを感じることができますね。

作り方

砂だけで出来ているかと思いきや、それだけだと雨で崩れてしまうため、拳サイズの石が沢山積み込まれています。

古墳の周りには埴輪も飾られていたようで、人間や動物の形の埴輪を並べてストーリー性を持たせていたのではないかと言われています。

古墳は日本全国に沢山ある

大阪に大きい古墳があるため、この地に集結していると思っていましたが、日本全国に約16万基もあるようです。
平成28年の統計では、兵庫県が一番多く約19000基あります。大阪は13位で約3400基です。住宅開発で減ってしまったのでしょうか。

まとめ

ちょうど関西空港に行く途中にあるので、出発まで余裕がある場合は、空港に行く前に途中下車してもいいかもしれません。私は、夜に出発の便を予約したので、日中は古墳観光してました。

この地域の文化遺産は、土地の歴史的背景や古墳について知れば知るほど面白いです!
ガイドに聞いたり、堺市博物館にも足を運んで観光することをお勧めします。