壱岐島と対馬の観光の楽しむのに欠かせないものといえば、意外かもしれませんが古事記です。
これらの島はなんと古事記に登場してきます!
一緒に古事記の聖地巡礼の旅をしていきましょう。
国生みの神話や、神社にゆかりのある古事記の物語などと合わせて紹介していきます。
背景にあるエピソードを知ると、壱岐・対馬の旅行を何倍にも楽しむことができるので、この記事では関連する省略した物語を抽出します。
全体を知るためにも古事記を読んでから旅行するのがおすすめです。
目次
古事記とは何だっけ
古事記は日本最古の歴史書とされ、日本という国ができる経緯や、神々の伝説、天皇の系図などがまとめれています。
従来、神話や伝承は、口頭にて語り継げられていましたが、記憶だけでは忘れてしまうことや間違って伝わってしまう可能性があるため、記録として712年に作成された経緯があります。
上中下の3巻から作成されています。
古事記に似ているものとして日本書紀がありますが、違いとしては国内向けに神話が満載なのが古事記、対国外向けに漢文で表記し年代に沿って編成されているのが日本書紀という感じです。日本書紀は720年作成なので、古事記より後に作られてます。
古事記を読むと共感できると思いますが、国や神が生まれる経緯はツッコミどころが多くて面白いです。マンガ版も出ており、読みやすいので、ぜひ読んでみてください。
古事記の国生み
壱岐島と対馬は、日本列島がどのように誕生したかを説明している国生みの神話に登場してきます。
_____古事記の物語_____
夫婦の神様として最初に登場するのが、イザナミ(女神)とイザナギ(男神)です。
イザナミとイザナギが性行為することによって、島や神様が生まれていきます。
まず最初に生まれる島が、兵庫県の「淡路島」です。(なんか意外ですよね笑)
次に四国、島根県の隠岐島、九州(筑紫島)、壱岐島、対馬、佐渡島、最後に本州(大倭豊秋津洲)が生まれます。
これらの大八島が日本の国として生まれました。
(北海道の島は、この時点では入らないんですね。もともとは蝦夷だったからかな。)
この後に、石の神、土の神、海の神、風の神、山の神、穀物の神などの神生みをしていきます。
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壱岐島は5番目に生まれた島で、対馬は6番目に生まれた島になります。
本州より先に生まれているあたり、何だか神々しさを感じてきませんか。
余談ですが、神様を数える単位があることは知っていますか?
一神教であれば、複数形になることはないですが、日本のように八百万の神がいると数える単位が必要になります。
神様は「柱(はしら)」という単位で、一柱(ひとはしら)、二柱(ふたはしら)と数えます。
神は木に宿っていると考えれば、自然な感じがしますね。人とは違い、一人、二人と数えないのですね。
壱岐島の聖地巡礼スポット
ツクヨミが祀られている月読神社
月読神社は、ツクヨミを祀る本宮(大元の神社)です。
伊勢神宮の内宮にも月読神社がありますが、壱岐の月読神社の分霊とされているので、壱岐がツクヨミの霊魂を祀る大元の神社になります。
______古事記の物語_____
ツクヨミは、イザナギの子で、アマテラスとスサノオと合わせて三貴子とされています。
訳あって死者の国から帰ってきたイザナギが、身体を浄化するため、河口に裸で入り身体を洗うと、洗った部位から神々が生まれてきます。
目と鼻を洗うと、左の目からアマテラスが、右の目からツクヨミが、鼻からはスサノオが生まれました。
(身体を洗うと神が生まれるというのは、意味が分かりませんが、流石は神様という感じですね笑)
(イザナギは男神なのに、どうやって産んだのかは神のみぞ知るところでしょうか。)
尊い三柱を産んだイザナギは、アマテラスには昼の世界を司り、スサノオには海を司り、ツクヨミには夜の世界を司ることを命じました。
この後に、アマテラスやスサノオの物語は語られるのですが、ツクヨミについては夜の世界にいるからか物語には登場してきません。
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夜の世界を司るので、月の神が似合いますね。
月を読むというのは、月を数える(月齢)と関係しているため、稲作や潮の満ち引きと由来しているとされています。農業や漁業関連のお願いごとをしていきましょう。
サルタヒコが祀られている男岳神社
男岳神社には、猿にちなんだサルタヒコが祀られていることから、猿の石像がたくさんあります。
______古事記の物語______
サルタヒコは、天孫降臨の物語で登場してきます。
天孫降臨とは、天の世界にいる神様が、日本を統治するために地上に降りてくる(天下り)神話です。アマテラスの子であるニニギが神々を率いて、宮崎県の高千穂に降り立ちます。その一行を道案内として、先導したのがサルタヒコです。
ニニギ達は天つ神に対して、サルタヒコは国つ神として、どちらも神様です。
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サルタヒコは、背が高く、鼻が長く、天狗のような顔をしています。
この後に紹介するアメノウズメと結ばれます。
アメノウズメが祀られている塞神社
塞神社には、目を逸らしてしまいたくなりますが、男性のシンボルが祀られています。
男性のシンボルは、触ると子孫繁栄にご利益があるのだとか。恥ずかしがらずに優しく撫でましょう。
_____古事記の物語_____
アメノウズメは、天の岩戸伝説や天孫降臨で登場してきます。
天の岩戸伝説は、アマテラスが弟のスサノオの所業に恥じて、岩の洞窟に閉じこもってしまう物語です。
そこで、アメノウズメは、洞窟からアマテラスを誘い出すため、岩戸の前で舞を踊ります。
その踊りが何とも卑猥で、狂喜乱舞に踊っていくと、胸があらわになり、腰に結んだ紐まで解けてしまい陰部も丸見えになる裸踊りになります。
そのおかげもあって、岩戸の前では大盛り上がりになり、気になったアマテラスは岩戸から出てきて作戦成功となりました。
時は流れ、天孫降臨の時にニニギと共にアメノウズメも日本に降りたちました。
道案内を終えたサルタヒコが故郷(伊勢の国。今の三重県)に帰りたいと願い出ると、アメノウズメも同行し、サルタヒコから名を授かり、サルメノキミと改名します。名を授かるのは、力を得る意味があり、夫婦になったのではないかという説もあります。
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塞神社は「塞ぐ」の字を使っているのは、岩戸伝説の洞窟を塞ぐ岩戸と関係しているんですかね。
サルタヒコの長い鼻は男性のシンボルを連想させ、アメノウズメは裸踊りしたりと何だがエロティックな神様ですね。
アメノウズメは、岩戸伝説で舞を踊ったことから芸能の神、また、サルタヒコと結ばれたことから夫婦円満や縁結びの信仰もあります。
塞神社は、壱岐の郷ノ浦港の市内にあるため、郷ノ浦に寄られる方は徒歩でもいけます。
対馬の聖地巡礼スポット
竜宮伝説が残る和多都美神社
和多都美(わたづみ)と読みます。海に浮かぶ鳥居があり、潮の満ち引きによって、地上に出たり、海に浸かったりします。
海幸山幸神話と竜宮神話の2つの物語の舞台となっています。
また、日本でも数少ない、三柱の鳥居があります。
_____古事記の物語_____
海幸山幸神話の主人公は、ウミサチヒコ(海幸彦)とヤマサチヒコ(山幸彦)です。
二人は天孫降臨で出てきたニニギの子で、兄のウミサチヒコは漁を得意とし、弟のヤマサチヒコは猟を得意としています。
ある日、お互いの仕事道具を交換して、過ごすことにしました。
しかし、ヤマサチヒコは兄の釣り針を無くしてしまい、怒った兄は同じ釣り針を返すよう要求しました。
困ったヤマサチヒコは、海神オオワダツミの宮殿を訪ね、海神の力を借りて、釣り針を見つけることができました。
兄の元へ釣り針を届けますが、兄の怒りは収まらずさらに攻めてきました。これまた海神の力を借りて兄を屈服させたのだとか。
竜宮伝説のお話では、ヤマサチヒコと海神オオワダツミの娘であるトヨタマヒメのお話です。
海幸山幸神話でヤマサチヒコが海神の宮殿を訪ねた際に、海神の娘のトヨタマヒメと結婚をします。
トヨタマヒメが妊娠をし、子を産む際に「子を産む時は本来の姿になるので絶対に産屋の中を見ないように」と夫のヤマサチヒコに伝えました。
ところが、ヤマサチヒコは覗いてしまい、ワニの姿になっているのを目撃してしまいます。本来の姿を見られたトヨタマヒメは恥ずかしくなり海へ帰ってしまいました。
こうして生まれた娘と、ニニギの孫が結ばれ、後に初代天皇の神武天皇が誕生します。
(分かりやすいように海幸彦と山幸彦としてますが、古事記では火照命と火遠理命、日本書紀では火闌降命と彦火火出見尊という名前です。)
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2つのエピソードは、鶴の恩返しや浦島太郎の物語の原型のような印象を受けます。
海に浮かぶ鳥居は、竜宮伝説を彷彿とさせませね。
PS4のゲームで「Ghost of Tsushima」というのがあり、元寇時代の蒙古軍と地元の対馬軍との戦いが舞台となっています。私はプレイしていないですが、対馬の再現度も高いみたいなので、行く前にプレイするのも面白いかもしれません。このゲームでの聖地にもなっているみたいです。
対馬には海神神社があり、昔は、わだつみ神社と名乗っていたことから、わだつみを変換すると「海神」が出てきます。
「わたづみ」と「わだつみ」が似ているので、混ざらないように気をつけましょう。
最後に
壱岐島や対馬は、ただ旅行するよりも歴史や物語を知るとさらに楽しむことができます。
特に古事記は日本神話のルーツとなる物語なので、日本の歴史を旅している気持ちにもなれます。
古事記の内容は、私が本や旅の経験を元にまとめたものです。ぜひ、自身で古事記を読んで、聖地巡礼を楽しんでください。
「古事記の聖地巡礼に関連する壱岐・対馬の観光スポット」への1件のフィードバック
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